【彼氏目線で語る】大人のADHD女性の特徴とは?付き合って気づいた向き合い方(後編)

後編【彼氏目線で語る】大人のADHD女性の特徴とは?付き合って気づいた向き合い方 アイキャッチ画像 ADHDのドヤ顔の女の子 赤い色調の絵

大人のadhd女性の特徴は、見た目だけではなかなか気づかれません。
でも、近くで関わるほどに、彼女たちの“生きづらさ”や“頑張り”が見えてきます。

前編では、彼女との日常や恋愛を通して感じたこと、
そして「支える側」としての僕ができる工夫や気づきを5つのテーマに分けてお届けしました。

後編ではさらに一歩踏み込み、

  • 「ADHD女性はモテる」と言われる理由とその裏側
  • 診断・治療とどう向き合っていくか
  • 社会や職場の理解、そして彼女の強みをどう活かしていくか

など、これから先を一緒に生きていくためのリアルな視点を、彼氏目線で綴っていきます。

「恋愛って、ただ優しくすることじゃない」
「不器用でも、支え合える関係はつくれる」

そんな風に思えるヒントが、ここに詰まっています。
彼女のことを“理解したい”と願うすべての人へ――後編もぜひ、お付き合いください。

▼▼【彼氏目線で語る】大人のADHD女性の特徴とは?付き合って気づいた向き合い方(前編)▼▼

1章~5章を記載しているので併せて読んでいただければと思います!

【彼氏目線で語る】大人のADHD女性の特徴とは?付き合って気づいた向き合い方 アイキャッチ画像 【彼氏目線で語る】大人のADHD女性の特徴とは?付き合って気づいた向き合い方(前編)

目次

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6.「ADHD女性はモテる」と言われる理由と、その裏にある現実

大人のadhd女性の特徴って、なんかモテるよね〜」
たしかに…うちの彼女もめっちゃ人気者。でも、その裏側はけっこう大変なんです。

6-1.明るくて、無邪気で、ちょっと天然。──そりゃモテるわけだ

僕の彼女、いわゆる“モテるタイプ”です。

明るくて、人懐っこくて、リアクションが大きくて、たまに天然。
初対面の人にもすぐ懐いてるように見えるし、笑い方がまっすぐで、場の空気を一気に軽くしてくれる。

実際、お店(※夜のお仕事)でもよく「人気あるんでしょ?」って言われるらしい。
でもね、近くで見てるとわかるんです。

それって、“素の彼女”じゃなくて、“頑張ってる彼女”なんですよね。

6-2.モテてるように見えて、内心はいつもぐるぐるしてる

「モテていいな」って言われることも多いけど、
彼女はそんなとき、なんとなく苦笑いする。

本当は、すごく疲れてることもある。
むしろ、“ちゃんとした人”に見られたくて、無理してキャラを作ってる日も多い

  • 相手に合わせて喋って
  • 相槌も“明るめ”に調整して
  • でも終わったあとはどっと疲れて、スマホも見られなくなる

そんな姿を何度も見てきました。

この“頑張り”の裏には、大人のadhd女性の特徴が隠れていることがあるんです。

・人の感情に敏感すぎる
・嫌われるのが怖くて空気を読みすぎる
・「ちゃんとしなきゃ」って自分を押し込めてしまう

モテてるように見えるけど、本人の中ではいつも自信のなさと不安がぐるぐる回ってる

6-3.僕がしたいのは、「モテる彼女を守る」ことじゃない

正直、最初の頃は「他の男に言い寄られたらどうしよう…」って不安になったこともありました。

でも、今の僕は少し違います。

僕が守りたいのは、“人気のある彼女”じゃなくて、
誰の前でも出せない「素の彼女」なんです

  • 気を張らずにいられる瞬間
  • おどけたLINEスタンプを連投してくる夜
  • すっぴんでボーッとアイコス吸っているときの顔

そういう時間の中にこそ、
“モテる彼女”ではない、“僕だけの彼女”の愛しさが詰まってる。

だから僕は、
「モテる」とか「いい子そう」っていうイメージじゃなくて、
彼女自身をちゃんと見ていたいと思うんです

「モテる子って大変そうだね」とか、
「好きな人多そうで不安にならないの?」って聞かれることもあるけど、
僕はむしろ、こう思います。

“誰にでも愛される彼女”じゃなくて、
“誰かひとりにだけ深く理解される彼女”であってほしい。

その“誰か”が、僕だったらいいなと思っています。

7.診断・受診を考えるときのリアルな話|「私ってADHDなんだ」と彼女が言った日

「私さ、ADHDなんだよね」
って、ある日LINEでさらっと打ち明けられた。

7-1.「私ってADHDなんだ」──それは突然のカミングアウトだった

「私ね、ADHDなんだ」
彼女がそう言ったのは、なんでもない日のLINEでした。

それまでなんとなく、忘れ物が多かったり、予定をすっぽかしたり、
テンションが急に高くなったり落ち込んだり……
彼女の中に“どこか他の人と違うリズム”があることには気づいていました。

でも、その言葉には、強がりでも悲壮感でもなく、少しだけ覚悟のようなものを感じたんです。

きっと彼女は、誰にも言えずに、自分の中だけで抱えてた。
そしてやっとの思いで、「言ってもいい」と思えた相手が、僕だったんだと思います。

7-2.自分で気づき、認めるという重たくてやさしい勇気

ADHDって、誰かに指摘されるよりも、
自分で気づいて認めることのほうが、何倍もしんどい

「サボってるんじゃなくて、できないだけだったんだ」
「頑張ってるのに空回る理由が、ちゃんとあったんだ」

彼女が口にした「ADHDなんだ」という言葉は、
ずっと“自分を責めてきた日々”への卒業宣言だったのかもしれません。

僕がしたのは、すぐに何かを言うことじゃなくて、
ただ「うん、そうなんだね。」と伝えることだけでした。

7-3.診断を受けたからこそ、少しずつ変わったこと

彼女はすでに病院で診断を受けていて、
そのときの話も、ぽつぽつと教えてくれました。

その言葉を聞いて、僕の方が泣きそうになりました。

大人のadhd女性の特徴って、表には見えづらいけど、
そのぶん「ちゃんとしなきゃ」で自分を締め付けちゃうことが多い。

診断を受けたことで、「問題のある私」じゃなくて「特性のある私」として、
少しずつ自己肯定感を取り戻していく姿を、僕はそばで見ていました。

7-4.僕にできることは、変わらずそばにいることだけ

彼女が「ADHDなんだ」と言ったことで、僕の中で何かが大きく変わったわけじゃない。
むしろ、「ああ、だからこそ彼女は彼女なんだ」って、しっくりきた感じがしたんです。

  • 話がとっ散らかるのも
  • 気分がコロコロ変わるのも
  • 急に不安になるのも

それ全部、“ただの癖”じゃなくて、ちゃんと意味のあることだったんだって。

僕がすべきことは、「改善させる」ことじゃなくて、
「理解して、支えること」でもなくて、ただ“隣にいること”

彼女のペースで、彼女の人生を歩くそのそばを、
一緒に歩かせてもらってる。今は、そんな感覚です。

ただ隣にいることを選択した理由について以下に詳しく書いていますので、ぜひ読んでください。

”双極性障害と向き合うために知っておきたいアドラー心理学”のブログアイキャッチ画像 テーマ: 「ふたりで一緒に歩く」「完璧じゃなくていい」「寄り添う優しさ」 ビジュアル要素: 二人が背中合わせで座っている構図 優しいトーンの背景(淡い青~オレンジのグラデーション) 少女アニメ風のキャッチーなキャラクター 全体の雰囲気: ふんわり、あたたかい 押しつけない、やさしい 重すぎず、未来を感じる 双極性障害と向き合うために知っておきたいアドラー心理学

「私ってADHDなんだ」
それは、彼女にとって“弱さを見せた”言葉じゃなくて、
“強さと優しさの中間”みたいな一言だったと思います。

そしてその言葉は、僕にとっても、
彼女ともっと深く向き合う覚悟をくれた、宝物みたいな一言でした。

8.治療・カウンセリング・お薬との付き合い方|“治す”じゃなくて、“ラクになる”という考え方

「薬ってもらうのが大変でさ」
そんな彼女が最近、「ちゃんと病院行って薬もらって飲もうかな」って言い出した。

8-1.「病院ってさ、待ち時間も薬もめっちゃめんどい」──それが本音だった

彼女は前から、病院に行くのがすごく苦手でした。

「病院って行くだけで疲れるし、薬もらうのに何時間も待たされるし、
もうそれだけで1日終わっちゃう感じ。ほんと無理なんだよね〜」

そう言いながら、処方箋をもらっても取りに行けなかったり、
行けたとしても、飲み忘れたり、続かなかったり。
それってズボラなんじゃなくて、大人のadhd女性の特徴として“やるべきことを分割して実行するのが難しい”という特性も影響してるんです。

正直、僕も心配でした。
でも無理に「ちゃんと行こうよ」なんて言えなかった。
彼女なりのしんどさがあるって、わかってたから。

8-2.「最近、体調が本気でヤバいかも」──そんな言葉が聞こえてきた

ある日、彼女がぽつりと言いました。

「最近ね、寝られなくて…。てか、寝ても起きても体がしんどいんだよね。
だから、ちゃんと薬飲むようにしようかなって思ってる」

それを聞いた瞬間、僕は心の中でガッツポーズしました。

もちろん、無理してほしいわけじゃない。
薬が絶対とも思ってない。

でも、彼女が“自分をラクにするための選択”をしようとしてるのが、
何よりもうれしかったんです。

苦しんでる彼女を見たくない。
でも、本人が「助けを借りてみようかな」って思えたことが、ほんとうに尊いことだと思いました。

8-3.劇的じゃない。でも、たしかに“少しずつ”ラクになっている

薬を飲み始めても、すぐに大きく何かが変わるわけじゃありません。
でも、ちょっとずつ――

  • 予定に追われた日でも、前ほどパニックにならなくなったり
  • 感情の起伏に振り回されることが減ってきたり
  • 寝付きが少しだけ良くなった日もあったり

そんな小さな変化が、彼女の中で少しずつ積み重なっているのを感じます。

彼女も「今日ちょっとラクだったかも」と言う日が増えてきて、
僕もホッとすることが増えました。

薬って、“変える”ためじゃなくて、“ラクにする”ための選択肢なんですよね。

参考動画精神科医がこころの病気を解説するCh(早稲田メンタルクリニック精神科医 益田先生)

8-4.僕ができるのは、“当たり前”を一緒に喜ぶこと

彼女が薬を飲めた日には、「えらい!今日はポイント5倍!」とふざけて褒めたり、
病院に行けた日には「じゃあ帰りにコンビニでアイスね」と小さなご褒美を一緒に楽しんだり。

僕にできるのは、そんな“普通っぽい時間”を彼女と共有することなんだと思います。

治療に正解なんてないし、薬の使い方も人それぞれ。
でも、彼女が「ちょっとずつ自分を整えていこう」と思えたその気持ちに、
僕は全力で寄り添っていたい


「薬を飲むようにしようかな」
その一言が、どれだけ悩んだ言葉だったか。
そして、どれだけ僕を安心させてくれたか。

大人のadhd女性の特徴と向き合うって、
時に面倒で、時に泣きたくなるくらい不器用で、でも…やっぱり美しいと思う。

彼女が少しでもラクになれるなら、僕は何度でも、その選択を応援したい。

9.彼女の“強み”を活かすためにできること|短所は、見方を変えれば魅力になる

彼女の発想って、たまに天才なんじゃ?って本気で思う。
「大人のadhd女性の特徴」って、困りごとだけじゃなく“強み”でもあるんだよね。

9-1.「変わってるね」と言われる彼女。でも僕には、それが才能にしか見えない

彼女と一緒に過ごしていると、
「あ〜この子、ほんとに天才かも」と思う瞬間がよくあります。

  • 思いつきで描いたイラストが、ものすごくセンスあったり
  • 会話の中でふいに出てくる言葉が、詩みたいに美しかったり
  • 同じ景色を見ても、僕とはまったく違う感性で受け取っていたり

これってまさに、大人のadhd女性の特徴でもある“独特の発想力”や“感受性の強さ”からくるものなんですよね。

りりたん
りりたん

私が描きました!

周りからは「ちょっと変わってる」と言われることもあるけど、
僕にとってはそれが彼女の唯一無二の魅力です。

9-2.向いてる仕事・環境って、ちゃんとある

彼女は今、接客を中心とした仕事をしています。
テンションの波や集中力の問題で、毎日が安定してるわけじゃないけど、
人と接する中で発揮される“共感力”や“観察力”は、明らかに武器になっている。

それに、突発的なトラブルにも強いし、
何よりお客さんを笑わせるのが上手。
「この子と話すと元気出る」って言われる理由、よくわかります。

adhdだから向いてない、じゃなくて、
adhdの特性だからこそ、合う場所もある

  • マニュアルより“柔軟性”が求められる仕事
  • 1日同じことを繰り返すより、変化がある仕事
  • 自由度が高くて、自分の裁量で動ける職場

そんなところなら、彼女はもっとのびのびと、自分の強みを発揮できると思っています。

9-3.僕の役割は、“正してあげる”ことじゃない

僕が昔、間違えそうになったのは、
「彼女が困らないように」「社会に馴染めるように」って、
どこかで“彼女を変えよう”としていたこと。

でも今ははっきり思う。

僕の役目は、“変える”ことじゃない。
“そのままの彼女”が力を出せる場所を、一緒に探すこと。

それって、アドバイスすることじゃないし、説教でもない。
ただ話を聞いて、応援して、必要なときにそっと背中を押すくらい。

彼女は彼女のままで十分すごい。
その事実に、僕自身がちゃんと気づいてあげなきゃなって思ってます。

9-4.“困りごと”と“強み”は、じつは表裏一体

  • 飽きっぽい → 刺激を見つけるのがうまい
  • 忘れっぽい → 今この瞬間に全力で生きてる
  • 話が飛ぶ → アイデアの引き出しが無限

大人のadhd女性の特徴って、見方を変えれば誰にもない宝物なんです。

困っていたあの部分が、
ふとしたときに人の心を動かしたり、
仕事の現場で重宝されたりする。

だからこそ、僕はこれからも、
「これは短所じゃなくて個性なんだよ」って、何度でも彼女に伝えていきたい。


“支える”っていうと、どこか一方通行みたいだけど、
僕はむしろ、彼女から毎日学んでるし、救われてる部分もたくさんある。

彼女の中にある“強み”が、もっと花開くように。
僕はその隣で、ちゃんと水をやれる人でありたいなと思ってます。

10.社会的理解と職場の支援体制について思うこと|「わかってもらえない」を、少しでも減らすために

僕は会社員、彼女は個人で働いてる。
同じ“働く”でも、しんどさの質がぜんぜん違う。

10-1.自僕には「守られている実感」がある。でも、彼女にはそれがない

僕はサラリーマンです。
毎日決まった時間に出社して、給料が決まってて、社会保険にも入ってて、
もし体調が悪くて休んでも、有給があるし、傷病手当もある。

つまり、「働けなくなったときの最低限の保障」がある。
普段は意識してないけど、この“安心感”が、心の余裕を支えてるんだと思います。

でも、彼女は違う。
彼女は個人事業主として働いていて、自分の力で生活を成り立たせてる。

  • 国民健康保険は毎月自分で払ってる
  • 年金も、自分で管理して支払ってる
  • 仕事を休んだら、その分の収入はゼロ

「自由でいいね」って言われることもあるけど、
その自由の裏には、“働き続けなきゃ生活が止まる”というプレッシャーが常にある。

10-2.「今日は体調悪いから休もう」って、簡単に言えない立場

彼女はよく言います。

「ほんとは休みたいけど、今日休んだら来月の支払いがキツくなるかも」
「体調悪くても、行かないと…次呼んでもらえないかもしれないし」

僕からすれば、「無理しないで」って言いたい。
でも、彼女からすれば、**“無理しない=生活が崩れる”**に直結してる。

サラリーマンの僕より、ずっと厳しい現実の中で、
彼女は今日も仕事に向かってる。

大人のadhd女性の特徴として、体調や気分の波が日によって激しかったり、集中力にムラがあったりする中で、
それでも彼女は「責任感」で動いてる。

むしろ僕より社会人としての覚悟が強くて、自分を律して生きてる。
本当にすごいと思う。

10-3.「個人で働く」というスタイルにこそ、支援が必要なんじゃないか

世の中は、まだまだ“企業で働く人”を前提に制度や支援ができてる。
でも、彼女みたいに“自由だけど保障のない”働き方をしている人はたくさんいる。

その中に、adhdや発達特性を抱えながら働いている人がどれだけいるだろう。

  • 安定しない体調と収入
  • 曖昧な人間関係のストレス
  • 相談できる相手がいない孤独感

そういった現実が、表に出づらいだけで、確実にそこにある

僕は彼女を見ていて、強く思う。

支援や制度が必要なのは、企業に勤める人だけじゃない。
自分で選んで“自由に働くこと”を選んだ人にも、同じくらいの安心が必要だ。

10-4.本当の意味で「生きやすい社会」とは

個人の努力だけで乗り越えるには限界がある。
どれだけポジティブでも、タフでも、
何もかもひとりで背負っていたら、心も体も壊れてしまう。

だからこそ――

  • 申請や制度がもっと使いやすくて
  • 発達特性を開示せずとも配慮が受けられて
  • 「助けて」が当たり前に言える空気がある社会
  • なにより周りの理解がある社会

そんな場所が、彼女のような大人のadhd女性にとっての「居場所」になると思う。


彼女の強さは、“自分で働く自由”を選んだことじゃなくて、
“誰にも守られずに、それでも毎日をこなしている”ところにある。

僕はその強さを、ただの“我慢”にしないように、
隣で支えられる人間でありたい。

11.子どもの頃から続いていた“生きづらさ”に、いま気づけたこと

「昔から忘れ物ばっかで怒られてたんだよね〜」
彼女は笑って話すけど、きっとずっと生きづらさを抱えてたんだと思う。

11-1.「私、昔 北海道代表だったんだよ」──その言葉に驚いた理由

彼女がふとしたときに話してくれたことがありました。

「小さい頃、長距離の陸上やっててさ。北海道代表までいったことあるんだよね」

その瞬間、正直びっくりしました。
今の彼女の印象とは、いい意味でギャップがあったから。

でも同時に、なんだか腑に落ちたんです。
彼女の“ひとりで何とかしようとする力”や“自分に厳しいストイックさ”は、
そうやって幼い頃から、自分を律して戦ってきた経験があるからこそなんだ、と。

11-2.甘えることより、「耐えること」で生きてきた彼女

彼女は本当に、自分から誰かに助けを求めるのが苦手です。

「大丈夫」って言いながら無理して笑ったり、
「もう慣れてるから」と言って、つらさを飲み込んだり。
その姿に何度も胸が締めつけられました。

でも、その理由は、ただ強がっているからじゃなかった

彼女には、僕が想像もしきれないような、壮絶な過去がある。

  • 毒親に育てられ、安心できる家庭がなかったこと
  • 元カレに暴力を振るわれ、人間関係の中で心まで傷ついてきたこと
  • そして、心が限界を超えた夜が何度もあったこと

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それでも彼女は、「誰にも迷惑をかけたくない」「ひとりでなんとかするしかない」と思い込んで、
必死に今日まで立ってきたんです。

11-3.ADHDという名前が、すべての過去をつなげてくれた

大人のadhd女性の特徴は、「頑張り屋さん」や「しっかり者」として見られることも多く、
逆にそのことで、内側の苦しさが理解されにくい。

彼女もずっとそうだった。

  • 集中できないのに「ちゃんとしろ」と言われ
  • 人と違う感性を「変わってる」で片づけられ
  • 繊細であるがゆえに、深く傷ついてしまった過去

彼女が診断を受け、「私ってADHDなんだ」と言ったとき、
やっと、長年感じてきた“違和感の正体”がはっきりしたような気がしたと言っていました。

そして僕も気づいたんです。

彼女を苦しめてきたのは、ADHDそのものじゃなくて、
その特性を「理解されなかったこと」「受け入れてもらえなかったこと」だったんだと。

11-4.僕がしていきたいことは、彼女の“過去”ごと抱きしめること

彼女の人生には、僕が踏み込めない“闇”もあると思う。
それでも僕は、そこから目をそらさずにいたい。

  • 小さなころから、走ることで自分を保ってきたこと
  • ひとりで耐えることでしか、生き残る道がなかったこと
  • 誰にも理解されなかった心の叫びを、ようやく僕に打ち明けてくれたこと

全部ひっくるめて、今の彼女をつくっている。

僕は、その彼女の全部を、肯定したい。
今も、過去も、未来も「大丈夫だよ」と言える人間でありたい


大人のadhd女性の特徴は、“今だけ”の話じゃない。
子どもの頃から続く“わかってもらえない生きづらさ”の延長に、今がある。

でも、気づけた今だからこそ変えられるものもある。
僕はその一歩を、彼女と一緒に踏み出したいと思っています。

12.【終章】ふたりで歩く、特別じゃない日常の幸せ

だらだらして、アイドルの動画見て、ソファーで溶ける毎日。
それでも僕は、この“なんてことない日々”が一番好きだ。

12-1.僕たちの日常は、ほんとうに地味で、ふつうで、だらけてる。

彼女が流してるYouTubeは、
FRUITS ZIPPERとか、CANDY TUNEとか、SWEET STEADYとか、CUTIE STREETとか……
僕には誰が誰だかわからないけど、彼女はひとりで盛り上がって、
僕は横で「かわいいねえ。この紫の子歌うまいね」とうなずくだけ。

おみみ
おみみ

アイドルリンクたどって、同じに見えた人!僕と同じです笑

そんなとき、ソファーには人間2体がくったりと伸びてて、
もはや“カップル”というより“ぬいぐるみ2個”みたいな状態。

「タバコどこ?」「スマホがない!」「あ、落ちてた!」
ADHDっぽい行動を繰り返す彼女を、僕は笑いながら見守ってる。

12-2.なんでもない時間が、なぜか一番幸せ

そんな彼女なのに、急にキッチンに立つと、
「今あるものでなんとかしよ~」とか言って、
10分後には“抜群に美味しい”ごはんが出てくるからすごい。

料理の天才だと思うし、味覚のセンスがズバ抜けてると思う。
ただ、作った後は「ねえ片づけお願い」ってこっちに回ってくるあたり、やっぱり彼女だなと思う(笑)。

食後はまたソファーに戻って、
スマホで天気を見ながら、ふと彼女が言う。

「いつか旅行行きたいね〜」

でも僕たちの場合、“何泊するか”どころか“行くか行かないか”さえ決まってない。
それでも
「北海道とか沖縄とかもいいけど、九州とかもいいよね〜」
「でも飛行機乗りたくない!車も酔う~」
「じゃあ、どこも行けないじゃん笑」
「そうだよ!」
「えっ!?」
「笑笑笑」
って話してるだけで楽しい。

たぶん“行くかどうか”より、“行こうね”って言い合えること自体が幸せなんだと思う。

12-3.支えるとか、守るとか、もうそんな大げさな言葉じゃなくて

よく「支えてあげてるんでしょ」って言われるけど、
僕にとっては彼女といることが、ただ自然なだけ

彼女のADHDっぽさも、感情の波も、いろんな抜けてるところも、
もう生活の一部みたいになってる。

完璧じゃないし、毎日ちょっと抜けてるけど、
それでもこの関係はすごくあたたかくて、柔らかくて、
ちゃんと愛があると、僕は感じてる。


「変わらなくていい」
「ちゃんとしてなくてもいい」
「未来が未定でも、今が一緒ならいい」

僕らはたぶん、“普通のカップル”とはちょっと違う。
でも、そんな“ちょっと違う日常”が、僕にとってはかけがえのない幸せです。

これからも、きっちり計画を立てることは苦手なふたりだけど、
そのぶん、“気持ち”だけはずっと揃えて歩いていきたい。

未来の行き先が決まってなくても、
隣に彼女がいてくれる限り、きっと大丈夫だと思えるから。

【エピソード】「おみみゃー」から始まる夜のワガママ

🟤「おみみゃー」 🟤「いまからあえない」 🟢「どこにいるの?」 🟢「いいよ 行こうか?」 🟤「まってるー!」 🟤「ありがとうおみくん」 🟢「ありがとう りりあちゃん!」 🟤「ストレスが減りましたとても」 🟤(泣きながら喜んでいるクマのスタンプ)「ァァ…… ゥゥ……」

その夜、LINEが鳴った。
彼女からのメッセージには、こう書いてあった。

「おみみゃー」
──それだけで、なんとなく、彼女の気持ちが伝わってくる。
たぶん、疲れてる。寂しい。ちょっと甘えたい。でもストレートに言えない。
そんなとき、彼女はふざけた呼び方をしてくる。

続けて届いたのは、「いまからあえない」
矛盾してるようで、ほんとうは**「会いたいけど、自分からお願いするのは苦しい」**というSOSだった。

だから僕はすぐに返した。
「どこにいるの?」
「いいよ、行こうか?」

すると彼女から、「まってるー!」って。
ああ、やっぱり会いたかったんだって、安心した。

~~そして、家まで来て料理をひとしきり作ったら~~

「じゃあ帰るね!」

帰宅後、彼女からのメッセージ。

「ありがとうおみくん」
「ストレスが減りましたとても」

短い言葉なのに、その一言に彼女の全部が詰まってた。
いつも頑張って、ひとりで抱えて、
それでも誰かを頼ることに慣れていない彼女が、
ちゃんと「ありがとう」って言ってくれることが、
僕にとっては何よりのご褒美だった。

最後に送られてきたスタンプは、泣きながらうれしそうな白いクマ。
「ァァ……」「ゥゥ……」って泣いてるくせに、顔はちゃんと笑ってる。


ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
僕たちの何気ない日常が、誰かの心にそっと寄り添えていたらうれしいです。

ADHDのパートナーと過ごす毎日は、たまにちょっと大変で、でもそれ以上に愛おしくて。
そんな大人のadhd女性の特徴を、もっと優しく、もっと自然に受け入れられる世界になりますように。

同じように誰かを想い、支え合う人たちの毎日が、やわらかく穏やかでありますように。

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