【体験談】躁うつの恋人が何度も命を手放そうとした過去

【体験談】躁うつの恋人が何度も命を手放そうとした過去

躁うつ(双極性障害)を抱える恋人が、何度も命を手放そうとした過去の体験談を聞き、僕は胸が苦しくなりました。
それでも彼女は、生きていてくれた。そして僕と出会ってくれました。
この体験談では、彼女の過去と、いま隣にいることの奇跡、そして僕の覚悟を綴っています。
同じように悩んでいる方の心に届きますように。

1.僕が「生きていてくれてありがとう」と伝えたい理由

躁うつを抱える恋人が、過去に命を手放そうとした経験を繰り返していたら――
あなたなら、その過去をどう受け止めますか?


僕の恋人は、過去に5回、命を手放そうとした経験があります。
最初にその話を聞いたとき、胸がぎゅっと苦しくなりました。
でも同時に、真っ先に浮かんだのは、こんな気持ちでした。

「それでも、今ここにいてくれて、本当にありがとう」

彼女は北海道で生まれ育ちました。
でもある日、突然ふらりと千葉にやってきたそうです。

最初は「1週間だけいるつもりだった」と、彼女は話していました。
少し心が疲れていて、気分転換のつもりで、短期の出稼ぎをかねて旅に出たようです。
でも、千葉の空気や雰囲気が心地よくて、
「もう少しだけ、ここにいてみようかな」と思ったそうです。

そしてその“もう少し”は、気づけば1年になっていました。

そんな日々の中で、僕たちは出会いました。

何気ない出会いのようでいて、あのとき彼女が千葉に来ていなければ、
そのまま千葉にとどまっていなければ、
僕たちはすれ違ったまま、一生出会わなかったかもしれません。

そう思うと、すべての偶然が、奇跡に思えるのです。

この記事では、躁うつの恋人がどのように絶望の中を生き延びてくれたのか、
そして僕がそのすべてを受け止めようと決意した理由を、丁寧に書きました。

同じように苦しんでいる人や、うつ状態のパートナーを支えている方にとって、
少しでも参考や希望になれば嬉しいです。


2.彼女が命を手放そうとした5つの夜

【1回目の夜】ナイフを手にしても、踏み出せなかった夜

最初のとき、彼女は人生に何の希望も感じていませんでした。
学校も人間関係も、家族との距離も、何もかもがつらかったそうです。

その夜、彼女はひとり部屋で、手元にあった刃物を肌に当てていたと言います。
「これで全部終わるかもしれない」と思ったそうです。

けれど、彼女の手は震えて、どうしても動きませんでした。
結局、何もできずにその場に座り込み、泣いたそうです。
「死ぬことすらできない私なんて、生きてる意味あるの?」と。

でも、僕からすれば――その夜、彼女が踏みとどまってくれたことが、すべての始まりでした。


【2回目の夜】大量の薬を飲んでも、目覚めてしまった朝

次は「今度こそ、静かに眠るように終わりたい」と思ったそうです。
できる限り苦しまずに、誰にも迷惑をかけずに……そんなふうに考えていたそうです。

彼女は薬をたくさん手に取り、「これでようやく楽になれる」と信じて飲み続けたと話していました。
数えきれないほどの量だったそうです。

でも朝になって、彼女は目を覚ましました。
ドラマのように簡単には終わらないという現実が、そこにはありました。

身体は重く、意識もぼんやりしていたけれど、確かに生きていた。
その事実が、彼女をさらに深く絶望させたのです。

「やっぱり私には、どちらの道も選べないんだ」
その朝の空の色は、彼女にとって一生忘れられないものになったそうです。


【3回目の深夜】車の中でのオーバードーズと警察の介入

三度目は、彼女にとって特に強烈だったと言います。
ある夜、心を深く傷つけるような関係のあと、彼女は帰り道の車の中で完全に無気力になってしまいました。

誰にも話せない。誰にもわかってもらえない。
そんな思いに押しつぶされながら、後部座席に横たわり、「今度こそ終わりにしよう」と決めたそうです。

前回よりも多くの薬を飲み、意識が薄れていく中で、「これで本当に終われるかもしれない」と感じていたそうです。

けれど、そのとき奇跡のような出来事が起こりました。
異変に気づいた誰かが通報してくれていたのでしょう。
警察が車に乗り込んできて、彼女を引きずりおろそうとしました。

彼女は「嫌だ! 嫌だ!」と泣きながら暴れて抵抗したそうです。
でも、その抵抗が許されるはずもなく、彼女はそのまま病院に搬送されました。

命が助かったことに対して、彼女は感謝どころか、怒りに近い感情を抱いていたと言います。
「なんで助けたの?」「私は、ただ終わらせたかっただけなのに」

病院のベッドの上で、彼女は泣き叫び、何も受け入れられなかったそうです。


【4回目の夕方】橋の上で、名も知らない外国人に救われた命

ある夕方、彼女は大きな橋の上に立っていたそうです。
冷たい風、流れる車のライト、ざわめく街の音。
彼女の中ではもう、静かに終わる準備が整っていたと言います。

そのとき、たまたま通りかかった外国人男性が、彼女に声をかけてきました。
言葉は通じなかったはずなのに、その人はすぐに異変を察し、迷うことなく彼女の腕をつかみ、引き戻してくれたそうです。

無理やりと言っていいほどの強さだったと、彼女は話していました。
でも、その力がなければ、彼女はもう戻ってこなかったかもしれません。

「誰かが気づいてくれるなんて思わなかった」
「名前も知らないあの人が、あの夜、私の人生を変えてくれた」

彼女は、そう静かに語っていました。


【5回目の夜】家族が最後の命の糸をつないでくれた

最後の夜。
彼女は、完全に準備を終えていました。
誰にも気づかれず、静かに、ひとりでこの世界から消えるつもりだったそうです。

「もう、疲れた」
「これ以上、誰にも迷惑をかけたくない」
「今度こそ、終わりにしたい」

心の中でそう何度もつぶやきながら、
それでも手は震えていたと言います。
怖かったわけじゃない。
ただ、“これで本当に最後なんだ”と思うと、無性に心が静まり返ったそうです。

そのとき、偶然にもお母さんが部屋に入ってきました。

「なんで、あのタイミングだったんだろう」
彼女自身も、今となっては理由がわからないそうです。
でもきっと、お母さんには何かが伝わったのだと思います。

そのおかげで、彼女の命はつながれました。

今では無くなっているけれど、体には痕が残りました。
首には今も跡が残りあり、顔にも後遺症が出たそうです。
鏡を見るたびに、あの夜のことがよみがえると、彼女は静かに言っていました。

偶然助かった命でも彼女は、もう一度「生きること」を選びました。

「それでも、生きてみようって思った。
このまま終わるのが、ただただ悔しかったのかもしれない」

そう話す彼女の目は、遠くを見ているようで、でもどこかまっすぐでした。

そして、その選択が、僕と彼女を出会わせてくれたのです。

3.過去ごと彼女を愛するということ

彼女の過去には、想像を超えるような苦しみがあります。
5度も自分の人生をあきらめようとしていた彼女。
もし、そのどこかで本当に命を失っていたら、僕たちは出会えていなかったはずです。

だから僕は、心から思っています。
「よく全部、失敗してくれた。生きていてくれて、本当にありがとう」と。

この想いを、彼女にはまだちゃんとは伝えられていません。
でも、本気でそう思っているんです。
「僕と出会ってくれてありがとう」とも。

躁うつの恋人との日常で気づいた、小さな奇跡の積み重ね

今でも彼女には波があります。
急に涙があふれてくる日もあるし、言葉が出ない日もあります。
LINEの返信がない日もあれば、一日中ベッドから出られない日もあります。

でも、そんな彼女が「おはよう」と返事をくれたとき。
「今日はごはんをいっぱい食べたよ」と報告してくれたとき。
ふとした拍子に、少しだけ笑ってくれたとき――

また彼女は、明るく笑う日もあります。
冗談を言ったり、ふざけたり、ちょっとしたことで拗ねたり、笑ったり。
そんなひょうきんでおちゃめな一面を見せてくれるとき、彼女の過去なんてまったく想像できません。

でも僕は、その“想像できない過去”を、ちゃんと知っています。
彼女の笑顔が、どれだけの痛みの先にあるものかを知っているからこそ、
その笑顔を見られる日が、僕にとっては宝物です。

だから、「会いたい」って言ってくれる日は、何を差し置いても駆けつけてあげたい。
ぎゅっと抱きしめてあげたい。
いっぱい褒めてあげたい。
いっぱい笑わせてあげたい。
美味しいものもたくさん食べさせてあげたい。
たくさんわがまま聞いてあげたい。

これらの瞬間すべてが、僕にとっては“奇跡”です。

僕は、そんな奇跡をひとつひとつ大事にしながら、毎日を過ごしています。

エピソード①

ある日、彼女がふとこんなことを言いました。

「私躁うつだから、今も浮き沈みはあるよ。でも、昔みたいにどん底まではいかなくなった」

その言葉を聞いたとき、僕は泣きそうになりました。
もちろん、それは彼女自身の努力があってこそです。
でも、ほんの少しでも、自分と一緒に過ごす日々が、彼女の心を救っているのなら――
これほど嬉しいことはありません。

僕はもう、「支える」とか「守る」といった言葉を超えて、
ただ「一緒に生きたい」と願っています。

彼女の“全部”を、まるごと愛したいのです。
過去も現在も、時には不安になってしまうその表情さえも、
僕にはすべて愛おしく思えます。

エピソード②

以前、僕たちは一度だけ大きな喧嘩をしました。
そのとき、僕は彼女を一人駅に残して、先に帰ってしまったんです。

彼女は僕を探し回り、家まで来てくれました。
夜中なのに、ひとりで、です。

ドアを開けたとき、彼女は無理に笑顔を作っていました。
そして部屋に上げると、彼女は泣きながら、
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」と、何度も何度も謝っていました。

あんなふうに悲しい顔で泣いている彼女を見たのは、それが最初で最後です。

僕は、なんてことをしてしまったんだろうと思いました。
彼女にとって「また一人ぼっちになること」が、どれだけ怖いことだったのか。
駅に取り残されて、どれだけ心細くて、どれだけ不安だったか。
僕の家に向かっている間、どんな気持ちで歩いていたのか。

今でも思い出すたびに、あのときの自分を責めたくなります。

躁うつの恋人と一緒に、これからの人生を歩むと決めた僕の思い

もし、彼女の人生が映画だったとしたら、僕はその途中から登場した脇役です。
でも、これから先の物語は、躁うつ彼女と一緒に書いていけたらいいなと思っています。

過去を否定せず、痛みごと抱きしめながら、未来はやさしさで満たしていきたい。
「絶対に幸せにする」――それが、彼女との約束です。

たまに喧嘩をしたり、泣かせてしまったり、ついチクチク言葉を口にしてしまうこともあります。
でもそのたびに僕は反省して、
もっともっと深く、彼女を愛していこうと心に決めています。

それが、僕が選んだ人生です。
そして、僕が決めたことです。


4.最後に:これを読んでくれたあなたへ

彼女が「生きていてくれた」こと。
それが、僕にとってすべての始まりであり、何よりの贈り物でした。

もし、今これを読んでいるあなたが、
彼女のような壮絶な過去に苦しんでいるなら、恋人のそばにいて苦しんでいるなら。
あるいは、自分自身がつらい渦の中にいるのなら――

どうか、自分を責めないでください。
今日、生きているということだけで、あなたは本当にすごいんです。

彼女が生きてくれたように、あなたも、生きていてくれてありがとう。
そして、これからも――
誰かと一緒に、少しずつでも幸せを育てていけますように。


おまけ:ブログを読んでくれたあなたへ
あなたが、今日も生きていてくれることに、心からの拍手を送ります。

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