ADHDの彼女に忘れ物が多いと、「どうして何度も忘れるの?」「これからも毎回フォローするの?」と戸惑うかもしれません。
スマホや財布など、大切な物をなくせば心配になります。「もう少し気をつけてほしい」と思うのも無理はありません。
何度注意しても同じことが起こると、彼女をどう理解し、どこまで支えればよいのか迷うでしょう。
僕も、彼女がスマホを僕の家に忘れたときは困りました。財布を落としたと聞き、鉄道へ問い合わせたこともあります。けれど、責めるだけでは次の忘れ物を防げません。
ADHDの彼女の忘れ物は、注意するだけでは防ぎにくいものです。忘れにくい仕組みを、二人で作ることが大切です。ただし、彼氏がすべてを管理する必要はありません。一人で負担を抱えなくても大丈夫です。
この記事では、スマホと財布をめぐる実体験を紹介します。忘れ物が起こりやすい理由や、彼女への接し方、二人でできる対策もまとめました。
この記事でわかること
- ADHDの彼女に忘れ物が起こりやすい理由
- スマホや財布をなくしたときの実体験
- 二人で取り組める5つの忘れ物対策
- 忘れ物をした彼女を責めない接し方
この記事について:この記事は、ADHDのある彼女と付き合った筆者の体験をもとにしています。医学的な診断や治療を目的としたものではありません。生活上の困りごとが大きい場合は、医療機関や専門家へ相談してください。
ADHDの彼女はなぜ忘れ物が多いのか
忘れ物や紛失が起こることがある
ADHDのある人は、注意を向け続けたり、持ち物を整理したりすることが苦手な場合があります。そのため、物を置いた場所がわからなくなったり、外出先に置いたまま帰ったりすることがあります。
忘れ物や紛失については、国立障害者リハビリテーションセンターの資料が参考になります。英国NHSの成人ADHD解説でも、整理の難しさが特徴の一つとして紹介されています。
ただし、忘れ物をするのは、物を大切にしていないからとは限りません。
たとえば、出かける直前に別のことへ意識が向くと、持っていく予定の物から注意が外れます。「あとでバッグに入れよう」と考えたまま、忘れてしまうこともあるでしょう。
彼女が何度も忘れ物をすると、「もう少し気をつけて」と責めたくなるかもしれません。しかし、本人も忘れたくて忘れているわけではなく、失敗するたびに落ち込んでいる可能性があります。
急いでいる日や疲れている日は、忘れ物が増えることもあります。飲酒が影響する人もいるため、起こりやすい状況は人それぞれです。

忘れ物は愛情や大切さの問題とは限らない
彼女が何度も忘れ物をすると、「僕との予定を大切にしていないのかな」と寂しくなることがあります。「前にも伝えたのに」と感じる人もいるでしょう。
自分が贈った物をなくされたときは、さらに傷つきます。自分の気持ちまで軽く扱われたように感じるかもしれません。
しかし、忘れ物の多さと愛情の深さは別の問題です。本人にとって大切な物でも、ほかのことに意識が向けば、置き忘れることがあります。
「大切なら忘れない」と決めつけず、まずは彼女の話を聞いてみてください。
「どうして忘れたの?」と問い詰めるより、「どんな場面で忘れやすい?」と尋ねるほうが、対策につながります。「一緒に考えよう」と伝えることも大切です。
もちろん、ADHDを理由に何でも我慢する必要はありません。困ったことや心配した気持ちは、相手を責めない言い方で伝えましょう。
すべての忘れ物をADHDだけで決めつけない
彼女にADHDがあっても、すべての忘れ物を特性だけで片づけるのはおすすめできません。「ADHDだから仕方ない」と最初から決めつけないことが大切です。
忘れ物には、その日の体調や状況も影響します。睡眠不足や疲労、飲酒のほか、急な予定変更がきっかけになることもあります。
彼女が僕の家にスマホを忘れたのも、二人でお酒を飲んだあとのことでした。ADHDの特性だけでなく、飲酒や慌ただしい帰り支度も影響したのかもしれません。
すぐに「ADHDだから」と結論を出さず、忘れ物が起きた状況を具体的に振り返りましょう。
「急いでいる日に多い」「いつもと違うバッグで忘れやすい」など、傾向を探すことが対策の手がかりになります。
原因を探すのは、彼女を責めるためではありません。忘れ物が起きやすい条件を知り、変えられる部分を二人で見直すためです。
忘れ物以外の特徴も知りたい方は、【前編】大人のADHD女性の特徴とは?付き合って気づいたことも参考にしてください。日常生活で起こりやすい困りごとを紹介しています。
ADHDの彼女の忘れ物で困った2つの実体験
スマホを僕の家に忘れて連絡できなくなった夜
ある日、彼女と僕の家でお酒を飲み、楽しい時間を過ごしました。彼女が帰ったあとに部屋を見ると、スマホが残っています。彼女はスマホを忘れたまま、帰ってしまったのです。
すぐに「スマホはここにあるよ」と伝えようとしました。ところが、彼女へ連絡するためのスマホは、僕の目の前にあります。電話もメッセージも本人には届きません。
彼女は、帰り道のどこかでなくしたと思っているかもしれません。そう考えると、僕のほうが落ち着かなくなりました。
しばらくすると、知らない番号から電話がかかってきました。電話に出ると、お父さんのスマホを借りた彼女でした。「スマホは僕の家にあるよ」と伝え、翌日に届ける約束をしました。
翌朝はまだ早く、彼女を起こしたくありませんでした。そこで、充電を満タンにしたスマホをポストへ入れることにしました。彼女の好きなカルピスウォーターも一緒です。
玄関には、「スマホはポストに入れているよ」と置き手紙を残しました。そのまま起こさずに帰ると、あとで彼女がとても喜んでくれました。
スマホを忘れると、本人への連絡手段まで失われます。この経験から、予備の連絡方法を決めておく必要性を感じました。

財布を落として鉄道や警察に問い合わせた話
ある日、彼女から「財布を落とした」と連絡が来ました。幸い、スマホはなくしていなかったため、連絡が取れたことには少し安心しました。
まず、その日に立ち寄った場所と、最後に財布を使った場面を確認しました。その後、利用した鉄道へ問い合わせましたが、その時点では見つかりませんでした。
落とした場所がわからないと、不安が続きます。財布が無事か、悪用されていないかも心配です。彼女はもちろん、僕も落ち着かないまま連絡を待ちました。
数日後、近くの警察から連絡があり、財布は無事に見つかりました。ほっとした一方で、案外あっさり見つかったため、少し肩透かしを食らったような気分でした。
彼女が財布をなくしたのは、一度だけではありません。同じようなことが2回ほどありました。
同じことが続くなら、注意するだけでは不十分です。財布を探しやすくする忘れ物防止タグが必要だと、本気で思いました。

2つの忘れ物からわかった本当に困ること
2つの出来事を経験して、「物が手元にないこと」以外にも困ることがあると気づきました。
本人と連絡が取れないと状況を伝えられない
スマホが見つかっていても、本人へ伝えられないことがあります。家族の電話を借りるなど、別の連絡手段を決めておくと安心です。
探す負担と心配はパートナーにも広がる
財布を落としたときは、立ち寄った場所を調べ、利用した鉄道にも問い合わせました。見つかるまでは、悪用されていないか心配でした。
捜索を手伝うパートナーにも、時間と心の負担がかかります。彼女の特性を理解することは大切ですが、彼氏がすべてを引き受ける必要はありません。
責めるより困る仕組みを変えるほうが役に立つ
忘れ物が続くと、「前にもあったよね」と言いたくなります。しかし、注意するだけで防げるなら、本人もすでにできているはずです。
本人の記憶や注意力だけに頼らず、定位置やチェックリスト、忘れ物防止タグを活用しましょう。
ADHDの彼女と一緒にできる忘れ物対策
彼氏が一方的にルールを決めると、彼女は管理されているように感じるかもしれません。まずは本人が困っていることを聞き、二人で続けやすい対策を選びましょう。
スマホ・財布・鍵の定位置を決める
スマホは充電器の横、財布と鍵は玄関のトレーなど、よく使う物の置き場所を一つに決めましょう。
彼氏の家で過ごすことが多いなら、そこにも彼女専用の置き場所を作ると安心です。
出発前チェックを目で見える形にする
玄関に「スマホ・財布・鍵」と書いたチェック表を置き、頭の中の記憶だけに頼らないようにします。
項目を増やしすぎると確認が面倒になります。最初は、本当に必要な物だけに絞りましょう。
財布や鍵に忘れ物防止タグを付ける
財布や鍵を何度もなくす場合は、忘れ物防止タグが役立ちます。位置を確認できれば、探す範囲を絞れます。
タグを使う前に、位置情報を共有する目的や範囲を彼女と話し合っておきましょう。
スマホがなくても連絡できる手段を決めておく
家族の電話を借りる、緊急連絡先を書いたカードを持つなど、スマホ以外の連絡方法を決めておきましょう。
緊急連絡先を書いたカードは、財布やバッグに入れておくと安心です。
紛失したときの連絡先と手順を共有する
まずは最後に使った場所と移動経路を確認し、次に鉄道や施設、警察へ問い合わせるなど、探す順番を共有しておきましょう。
手順が決まっていれば、紛失に気づいて焦っているときも動きやすくなります。
警察庁の落とし物の届出・検索ページでは、都道府県ごとの情報を確認できます。遺失届の提出先や、警察へ届けられた落とし物の検索方法も掲載されています。
対策を一度にすべて始める必要はありません。まずは定位置を決めるなど、続けやすい方法から一つずつ試してみましょう。

忘れ物をした彼女への接し方
忘れ物に気づいた直後は、彼女も焦っているはずです。その場で責めると、必要な確認が進まなくなるかもしれません。
最初に安全と持ち物の所在を確認する
忘れ物がわかったら、まず彼女の安全を確かめます。帰宅手段や連絡手段が残っているかも確認しましょう。
「どうして確認しなかったの?」と責めるより、「最後に財布を使ったのはどこ?」と具体的に聞くほうが、必要な情報を集めやすくなります。
落ち着いてから二人で仕組みを見直す
持ち物が見つかって落ち着いたあとに、忘れた場面を二人で振り返り、次の対策を一緒に考えましょう。
「僕も連絡が取れなくて心配した」と、自分の気持ちを主語にして伝えます。そのうえで、「どの方法なら続けられそう?」と彼女に聞いてみてください。
彼氏がすべてを管理しようとしない
毎回すべての持ち物を確認したり、紛失するたびに代わりに探したりすると、彼氏の負担が増えてしまいます。
彼女の特性を理解することと、彼氏が我慢し続けることは別です。問い合わせ先は一緒に調べ、普段の確認は本人に任せるなど、助ける範囲を二人で決めておきましょう。
ADHDの彼女の忘れ物は責めるより仕組みで減らそう
ADHDの彼女の忘れ物を、だらしなさだけで判断しないことが大切です。愛情がないと決めつけるのも避けましょう。
まずは、スマホや財布の定位置を決めてみてください。玄関のチェックリストや忘れ物防止タグなど、記憶だけに頼らない仕組みも役立ちます。
ただし、彼氏がすべてを管理する必要はありません。困ったときに手伝う範囲と、本人に任せることを話し合っておくと安心です。
彼女を責めるより、二人に合う仕組みを作りましょう。それが忘れ物を減らし、安心して付き合うための一歩になります。
彼女への理解をさらに深めたい方は、忘れ物以外の行動を紹介した関連記事も参考にしてください。
この記事の執筆方針と参考資料
筆者の立場
この記事は、ADHDのある彼女と付き合った筆者の体験をもとにしています。スマホや財布の話は、実際に二人で経験した出来事です。
ただし、特性の現れ方には個人差があります。一人の体験を、すべてのADHD女性に当てはめるものではありません。
参考にした公的情報
制度や公開情報は変更される場合があります。最新情報は、各機関の公式ページで確認してください。


